近況 2003年 9月
 
 例によって雑務の二乗、三乗、気息エンエンの前期がやっと終わって、ホッとする間もなく、溜まっていた細かな仕事に追われたり、例によってドイツの新しい劇作品を読みあさったりしているうちに、夏休みが終わってしまいました。ヤレヤレ。
 五月に出るはずであった、ドイツ文芸誌『デリ』第1号が、やっと8月1日に出ました。私の訳したオーストリア現代ウンコ(!)劇が載っています。ただし、かなりマニアックな雑誌なので、一般の本屋さんにはほとんど置いていません。興味のある方は、トップ頁の下の方、『デリ』ホームページから注文してください。1600円です。今夏は、第2号のための準備のお手伝いにも駆り出されて、その作業が、まだ現在進行中です。
 それと、11月末から12月の土曜日に、神田校舎で映画の自主上映をします。
ドイツ・ニュー・ジャーマンシネマのファスビンダー監督による『ベルリン・アレクサンダー広場』で、全15時間を三回に分けて上映します。料金はカンパ制ですので、ぜひ、お越し下さい。詳しくは寺尾の研究室にパンフレットとがあります。
 
 場所 専修大学神田校舎7号館3階
 日時
 11月22日(土)13時半〜 第1話〜第5話(約5時間18分)
(一週あきます。)
 12月6日    13時半〜 第6話〜第11話(約5時間50分)
 12月13日   13時半〜 第12話〜最終話(約3時間48分)
       引き続き17時半〜 シンポジウムの予定。
  
 8月末に見たのが、劇団第三エロチカによるイギリスの若い女性劇作家サラ・ケインの芝居『4時48分 サイコシス』で、これが非常にすばらしかった。90年代半ばに作者自身が自殺する直前に書き上げた作品で、自殺へと追いつめられて行く内面の狂気を、いわば頭の中の叫び声として、主役のみならず、集団アンサンブルが効果的に表現しており、鬼気迫る舞台に仕上げていました。作品と対応した緊張感ある演出は、現代劇の可能性というものを感じさせてくれる、実に良い出来でした。わずか一週間ほどの上演だったので、残念ながらもう終了しています。ただ、来年の1月6日〜8日に、こまばアゴラ劇場で、同じ作品を別の演出家が舞台化しますので、まあ、演出の出来はわかりませんが、もしかしたらオススメかもしれません。
 9月早々に大学のパソコンがウィルス攻撃を受けて、しばらく右往左往しました。きちんとウィルスバスターもマメに更新していたのですが・・・みなさん、怪しげなメールには気を付けましょう!!